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風がきた!!

ある時、幸ちゃんはお父さんにききました。

「お父さん、風はどこから来るの?」

「風は山からくるんだよ」

「どうしてくるの?」

「それはね、悪いものを、みんな吹き飛ばすためにくるんだよ」

「へー。風はだれが作ったの?」

「風の神さまだよ。風の神さまが大きな息をはきだすと、大きな風になるんだよ。そして、みんな幸せになるために清めてくれるんだよ」

みんな幸せで一杯が大好きな幸ちゃんだから、風の神さまの風も大、大、大好きです!

今日の幸ちゃんは、風を待っていました。それは、お母さんが作ってくれたオムライスのピーマンを見て「キライ、キライ、たべない」と言って、お母さんを こまらせたからです。

わがままを言った幸ちゃんは 遊ぶのが つまらなくなってしまいました。

それは、いつもお父さんが言っていたことを 思い出したからです。

「幸ちゃん。野菜でも、お魚でも、みんな いのちを ささげてくれているんだよ。だから、じゃがいもさん ありがとう にんじんさん ありがとう なんだよ」って。

それなに、幸ちゃんはピーマンさんありがとう、お母さんありがとうって言えなかったから。心がとっても、とっても悲しくなってしまったのです。

だから、風をまっていました。

お庭のベンチに座ってまっていました。

そのうち、お父さんが仕事をおえて帰ってきました。

「幸ちゃん、ただいま。お父さんをまっててくれたの?」

「う~ん…」

「あれ?幸ちゃん どうかした?」

「…幸ちゃん、今日お母さんをこまらせたの。だから風を まっているの」

「そうか。ちゃんと風がふいてくれるよ」

そう言って、お父さんは家の中へ入っていきました。

幸ちゃんは、まっていました。家の中から「もうすぐ ごはんだから おうちに入りな」って声が聞こえました。でも、幸ちゃんは動きません。ずっと風をまっています。

また、家の中から「幸ちゃん、ごはんたべてから まっていたら?」と声がしました。

それでも、幸ちゃんは風をまっています。

あたりが、だんだん うす暗くなってきました。

むこうの空に一番星が見えてきました。

お父さんが家の中からでてきて、

「幸ちゃん、風きてくれた?」

「まだ」

「さっちゃんの ねがいは ちゃんと伝わっているよ。だから風は かならず ふいてくれるよ」

「うん…」

お父さんも いっしょに 風をまってくれました。

あたりは すっかり暗くなってしまい 空には 幸ちゃんの大好きな星が一杯でした。

その時 お父さんが「幸ちゃん もうすぐ風がくるって 森の木が教えてくれているよ」

「お父さん、本当?」

すると、森のほうからサヤサヤ サヤサヤ音がしました。

「幸ちゃん。くるよ」

「あ!今 幸ちゃんの髪の毛さわったよ!」

幸ちゃんは、いま風さんが息をいっぱい吸っていると思いました。

もうすぐくる。幸ちゃんはドキドキしました。

そして、大きな風がフワーと幸ちゃんをつつみこみ 空にういたような気がしました。

「お父さん!風さんがきてくれたよ!」

「うん、よかったね」

「風さんが、さっちゃんのわがまま とばしてくれたよね」

「ちゃんと とばしてくれたね」

「よかった、うれしい。風の神さまありがとう。お母さん!風さんがきてくれたよ さっちゃんのわがまま とばしてくれたよ!」

大きな声でいいながら 幸ちゃんは おうちの中へ かけていきました。


SOPHIE'S
COOKING TIPS

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#2

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#3

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